NBC長崎放送

2024/05/20/9:15

「夏空の灰~被爆体験者は何者か?~」

ことし8月9日の長崎原爆の日に、

被爆体験者と総理大臣の面会が実現する可能性が出ている。

直接の訴えを総理がどう受け止めるかは見通せないが、

どう考えてもおかしい広島との差別を直に突きつけられ、

無視できる人がいるだろうか。

 

被爆地域に指定されていない場所のうち、

爆心地から半径12キロ圏内にいた人たちをさす「被爆体験者」。

広島では裁判での勝訴を機に、遠くは40キロにいた人まで

約5500人が被爆者と認められた。

広く長く被害を及ぼす原爆の恐ろしさを改めて示している。

 

長崎原爆の威力は、広島の1.4倍。

熱線や爆風が山で遮られ、長崎の被害は軽減したとされているが

本当にそうだろうか?

残留放射線は雨や灰、大気に混じり広がった。

放射性微粒子の大きさは、PM2.5と同じ位。

長崎でも40キロまで被害が及んだ可能性が十分ある。

 

諫早、島原、さらに天草で原爆の放射性降下物についての証言を集めると、

多くの人があの日、黒い雲や雨、灰を目撃していた。

 

※「大雪のように降った灰」イメージ画・岡野雄一さん

 

 

被ばくした可能性はないのだろうか?

爆発直後に出た高線量の初期放射線ではなく、

薄く後範囲に広がった低線量の放射線の影響。

 

原爆の開発史を研究している奈良大学の高橋博子教授は、

被爆体験者は、アメリカが隠ぺいしてきた放射線被害の一部だと指摘する。

映画「オッペンハイマー」は

アメリカ政府の考えと同調するように、それに触れていない、と。

 

国が「被爆体験者」の中に閉じ込めたものは何か?

 

 


「夏空の灰~被爆体験者は何者か~」

放送日時:5月26日(日) しんや1:20~2:14

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