8/9「私、嬉しいんです」
今年の8月9日も、NBCラジオ「あさカラ!」は朝9時から3時間にわたって、長崎市の平和公園周辺から生放送しました。
私たちスタッフの頭にあったのは「継承」です。戦争が終わって73年が経つ今、被爆者の数が減り、原爆へのリアリティを持たない世代に、私たちは果たして何をすればよいのか、何が出来るのか。
歩きながら、今年も、たくさんの「平和への想い」を聞きました。
東京からひとりで旅してきた高校教師の男性、カメラマン・草野優介さん、小説家の卵・松中瑠衣子さん、ジャーナリスト・高瀬毅さん、高校生平和大使・中村涼香さん、韓国からやってきたキムさん、ツアー参加で静岡から来た女性3人・・・・・・特に打ち合わせもないまま、その場でマイクを向けた方も数多く、しかし皆さん、それぞれ平和への想いを力強く語ってくださいました。
最後にお話を聞いた、福岡から来た女性合唱団(ゆりかご)の方がこんなことを仰いました。
「被爆者だった母は去年亡くなったけど、わたし、嬉しいんです。この先、わたしが死ぬ日が来ても、母と私がこの世からいなくなっても、きっとこれからもたくさんの人がこの公園に来て、お祈りしてくれる。だから本当に嬉しいの」
とても素敵な笑顔でした。この方の言葉を伝えられただけで、今日の放送をしたかいがありました。
番組が終わる頃、南の空に虹色に光る雲が浮かんでいました。
彩雲(さいうん)、と呼ばれる現象でしょうか。
オンエア終了後、ゆりかごの皆さんとはしゃぎながら空の写真を撮りました。
なかなか上手く撮ることはできませんでしたが、まるで天からのプレゼントのようで、その場に居合わせた皆が、なんとも幸せな気分になったのです。(他局のカメラマンや新聞社のひとにも教えてあげましたよ)
ラジオをお聞きくださった皆さま、ありがとうございました。ぜひ感想を番組宛にお送りください。