第9回 9月26日放送
佐賀市富士町古湯の温泉街に、にぎわいを取り戻したいと食堂をオープンした
岸川美紀子(きしがわ・みきこ)さん。
岸川さんは、古湯温泉にある旅館の女将。
生まれも育ちも古湯。生粋の古湯っ子です。
にぎわっていた温泉街も、空き店舗が目立ち始めた近年。
以前は八百屋だった店舗を購入し、何が今の古湯に欠けているのかと考えた結果、
地元富士町でとれたお米や野菜、加工品などを使って訪れた方をもてなす食堂
「古湯キッチン10」を今年6月にオープン。
お店の雰囲気もとっても素敵で、一枚板の大きなテーブルや、カウンター席、
レトロな雰囲気のソファー席もあって、ゆっくりくつろげる温かい空間が広がっています。
お店のコンセプトは「みんなでつくろう!古湯キッチン」
実はこのお店、地元ボランティアの方や、古湯に移住してきた方たちの手によって、
壁を塗ったり、机を作ったりと手作りされたんです。
何とも言えない温かい雰囲気は、
その手作りの温かさを知らぬうちに感じていたからなのかもしれませんね。
そこで味わえるメニューは、自家製の醤油こうじを使ったから揚げランチや、
女将の煮込みハンバーグランチ、焼き魚ランチなど5種類の古湯ランチシリーズ。
メインディッシュ以外に、10種類の小鉢がつく豪華版。
岸川さんの愛情がたっぷり入ったものばかりです。
古湯を訪れた方にも大人気。
取材の日も、東京からの旅行者にもお会いしましたが、
品数にとにかく驚かれていました!
しかし、それだけではないんです。
なんと“古湯キッチン10”
今では、料理を味わえる場所としてだけではなく、
古湯への移住情報発信基地、さらには、移住者同士の交流の場ともなっているんです。
それは、古湯に生まれて64年の岸川さんだからできること。
たとえば、移住希望者の方が訪ねてきたら、要望を聞き、空き家がないか、
人脈で情報収集。希望者と自治会長をつなぐ役割もされています。
他にも、“古湯キッチン10”を通して、移住者の方たち同士での交流も生まれ、
今では皆さんでイベントを開催されたりと、活気にあふれています。
その移住者の方から「おかみさん」や「みきこさん」と慕われる岸川さん。
「みんなが自由に入ってきて、住民みんなが幸せになる古湯温泉になれば」と語ります。
“古湯キッチン10”を拠点に、皆さんの力が結集し、
ますます古湯が熱くなりそうです!